母校訪問のアポ取り|電話・メール例文6選と採用につなげる社内ルール

母校訪問のアポ取りの流れを、電話での依頼・名乗りと取り次ぎ・メールでの確認・当日の訪問の4ステップと、採用につなげる人事の社内ルールで示した図解
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母校訪問のアポは、訪問希望日の2〜3週間前に学校の代表番号へ電話し、卒業年度・氏名・現在の勤務先を名乗って在籍時の先生か進路指導部・キャリアセンターに取り次いでもらうのが基本です。電話は10〜11時か15〜16時が目安で、メールは日程確認とお礼に使い、当日に電話してそのまま訪ねることは避けます。

母校訪問のアポは、訪問の2〜3週間前に電話で、卒業年度と現在の勤務先を名乗って取るのが基本です。企業が若手社員を出身校の先生やキャリアセンターに送る母校訪問は、卒業生の近況という先生に信頼されやすい情報を届けられる一方で、名乗り方や話す範囲を社員任せにすると、会社として来たのか個人として来たのかが学校に伝わりません。「人事から母校に挨拶してきてと頼まれたけれど、先生に何と言って電話すればいいのか」── 送り出される社員にも、送り出す人事にも出てきやすい迷いです。この記事では、社員が卒業生として名乗る電話例文3本とメール例文3本、何日前・何時に連絡するか、当日に話すこと、高校と大学で異なる時期の決まり、人事が先に決めておく社内ルールのひな形までをまとめました。なお、この記事は企業が社員を出身校に送る採用活動としての母校訪問を扱います。教育実習の依頼や個人での訪問とは目的が異なりますが、電話の時間帯や名乗り方の基本は共通です。

一ノ瀬 真理子 一ノ瀬 真理子

先生にとって、卒業生が自分の言葉で語る職場の様子は、会社案内よりも信頼しやすい情報だと私は考えています。在学中の姿を知っている相手の話なので、仕事の中身や職場の空気がそのまま伝わるからです。ただ、母校訪問を社員に任せきりにすると、名乗り方や話す範囲が人によってばらばらになり、先生には個人的な挨拶なのか会社としての訪問なのかが分かりません。人事が電話の文面と社内ルールを先に社員へ渡しておくことが、母校訪問を採用活動として機能させる条件です。詳細は監修者プロフィールをご覧ください。

Result ― このページのまとめ
  • 連絡の時期 母校訪問のアポは訪問希望日の2〜3週間前に電話で取るのが目安で、急ぐ場合でも1週間前までに連絡します。
  • 名乗りと取り次ぎ 名乗りは卒業年度・氏名・現在の勤務先の順で、取り次ぎは在籍時の先生、異動や不在なら進路指導部・キャリアセンター・就職課に頼みます。
  • 時間帯と手段 電話は10〜11時か15〜16時が目安で、定時制高校は13時半以降です。メールは日程確認とお礼に使い、会社のアドレスから送ります。
  • 当日 当日は30分程度を目安に、今の仕事・入社を決めた理由・後輩に伝えたいことの3つを話し、次の連絡の予定を決めて帰ります。
  • 時期の決まり 高校で求人の話ができるのは国が定める求人申込みの開始日以降で、2027年3月卒は7月1日です。大学で学生に会社説明をするのは卒業年度に入る直前の3月1日以降、選考に当たる面談は卒業年度の6月1日以降が原則です。
  • 社内ルール 人事は人選・事前の届出・業務としての扱い・学生や生徒と会うときの決まり・話す範囲・報告・記録の7項目を、社員を送り出す前に決めておきます。
  • 目的別おすすめの結論 社員の出身校以外の大学・短大・専門学校にも関係を広げたい場合は、全国47都道府県でアポ獲得から関係構築まで一貫して担う株式会社オールが選択肢になります。

※ 日程は2027年3月卒(高校)と2028年3月卒(大学等)を対象とした国の通知・要請に基づきます(2026年10月12日時点)。連絡の時期・電話の時間帯・面談時間は新卒採用の現場慣行に基づく実務上の目安です。

母校訪問で連絡を入れる相手、電話の時間帯、求人や会社説明の話ができる時期は、校種によって変わります。社員の出身校がどの校種かを確かめてから、次の表で確認しておきます。

項目 高校 大学・短大 専門学校
まず取り次いでもらう相手 在籍時の担任・部活顧問 ゼミ・研究室の教員 在籍時のクラス担任
先生が異動・不在のときの窓口 進路指導部(進路指導主事) キャリアセンター・就職課 就職課・学科長
電話の時間帯 全日制は10〜11時/15〜16時、定時制は13時半以降 10〜11時/15〜16時 10〜11時/15〜16時
求人・会社説明の話ができる時期 求人の話は国が定める求人申込みの開始日以降(2027年3月卒は7月1日) 学生への会社説明は卒業年度直前の3月1日以降、選考に当たる面談は卒業年度の6月1日以降 学科・就職課の慣行による(事前に就職課へ確認)
後輩との接し方 直接の声かけや連絡先の交換はせず、学校を通じる 学内説明会など学校が設ける機会で会う 学科・就職課が設ける機会で会う

※ 時間帯は一般的な目安です。高校の日程は2027年3月卒、大学等の日程は2028年3月卒を対象とした国の通知・要請に基づきます(2026年10月12日時点)。日程は毎年度、国が改めて定めます。


母校訪問のアポの取り方|何日前・何時に・誰に電話するか

母校訪問のアポの取り方は、訪問の2〜3週間前に学校の代表番号へ電話し、卒業生として名乗ったうえで在籍時の先生に取り次いでもらい、候補日を3つ伝える流れが基本です。電話は10〜11時か15〜16時にかけ、メールは電話の後の日程確認とお礼に使います。

社員が「卒業生」と「会社の代理」の2つの立場で連絡する点が、人事が企業として学校に連絡する場合との違いです。連絡の時期、時間帯、取り次ぎ相手、名乗り方の順に整理します。


母校訪問のアポは何日前に連絡するか

母校訪問のアポは、訪問希望日の2〜3週間前に連絡するのが目安で、急ぐ場合でも1週間前までには連絡します。先生は授業・会議・部活動の合間に面談の時間を空けるため、余裕のある日程ほど調整がつきやすくなります。

学校が忙しい時期は、さらに早めに連絡します。たとえば高校は夏から秋にかけて就職指導と応募の準備が重なり、大学は学内説明会の準備や試験期間に入ると職員の手が空きにくくなります。社員の出身校の行事予定を学校のウェブサイトで確かめ、候補日をその前後にずらしておくと、断られる回数を減らせます。


母校訪問の電話は何時にかけるか

母校訪問の電話は、10〜11時か15〜16時にかけるのが目安です。始業直後・昼休み・終業前は、先生が授業の準備や会議、生徒・学生への対応で電話に出にくい時間帯です。定時制高校は授業が午後から夜にかけて行われるため、13時半以降にかけます。

卒業生個人の訪問では「昼休みや放課後に」と勧められることもありますが、採用活動としての母校訪問では先生に用件をきちんと聞いてもらう必要があります。先生が授業や会議の合間に落ち着いて話せる時間帯を選ぶのが、会社として連絡するときの基本です。


誰に取り次いでもらうか

取り次ぎは、在籍時の担任・部活動の顧問・ゼミや研究室の教員など、社員本人を知っている先生に頼むのが最初の選択肢です。先生が異動・退職している場合は、高校なら進路指導部(進路指導主事)、大学・短大ならキャリアセンター・就職課、専門学校なら就職課か学科長に取り次いでもらいます。

4月は先生の異動が多い時期です。恩師がすでに異動していた場合、異動先を学校に尋ねることは避けます。個人情報に当たるうえ、母校訪問の目的は社員の出身校との関係づくりなので、その学校で今の窓口となる先生とつながれば十分です。


名乗り方は「卒業年度+氏名+現在の勤務先」

名乗りは、最初に卒業年度と氏名で卒業生であることを伝え、取り次いでもらった後に現在の勤務先と用件を伝える順番にします。旧姓や在籍時の学科・クラス・部活動を添えると、受付の方も先生もすぐに思い出せます。

用件の伝え方次第で、先生が個人的な訪問と受け取るか、会社としての訪問と受け取るかが変わります。次のように「会社の採用の件」であることを最初の用件説明で言い切ります。

場面 伝わりやすい言い方 誤解されやすい言い方
受付での名乗り 「【20◯◯】年に卒業した【◯◯ ◯◯】と申します。在学中は【◯◯】先生のクラスでした」 「卒業生の【◯◯】ですが、【◯◯】先生いらっしゃいますか」
先生への用件 「今は株式会社【◯◯】で働いており、会社の採用の件で近況のご報告とご挨拶に伺いたいと考えています」 「近くに来る用事があるので、久しぶりに顔を出したいです」
同行者の有無 「当日は人事の【◯◯】も同席してよろしいでしょうか」 同行者を伝えずに当日2人で訪ねる

※ 【 】は社員本人の状況に合わせて書き換える箇所です。


当日に電話してその日に訪ねてもよいか

当日に電話してその日に母校を訪ねることは避けます。先生は授業や会議の予定に合わせて面談の時間を空けるため、当日の申し出では対応が難しく、会社としての訪問の段取りも整いません。

出張などでたまたま母校の近くに行く場合も、当日は電話で「改めて日を相談させていただきたい」と伝えるにとどめ、訪問の日時は後日に約束します。約束した当日は、約束の5〜10分前に受付で卒業生として名乗ります。


電話とメールの使い分け

母校訪問のアポは電話で取り、メールは日程確認とお礼に使います。高校を中心に、先生個人のメールアドレスを公開していない学校が多く、最初の連絡はメールでは届きにくいためです。

メールを送るときは、会社のメールアドレスを使います。個人のメールアドレスやSNSは、在学中に先生とつながっていたとしても使いません。会社のアドレスから送れば、学校側にも会社としての連絡だと伝わり、人事が後から経緯を確認することもできます。

母校訪問のアポで押さえる要点は、次の3つです。

  • 時期:訪問希望日の2〜3週間前、急ぐ場合でも1週間前までに電話する
  • 名乗り:卒業年度・氏名で名乗り、取り次ぎ後に勤務先と「会社の採用の件」を伝える
  • 手段:電話は10〜11時か15〜16時、メールは会社のアドレスで日程確認とお礼に使う

母校訪問のアポ電話例文|恩師・研究室・進路指導部の3パターン

母校訪問のアポ電話は、受付で卒業年度と氏名を名乗り、先生に取り次いでもらった後に現在の勤務先と用件を1文で伝え、候補日を3つ出す流れで組み立てます。用件は「会社の採用の件で、近況のご報告とご挨拶に伺いたい」と言い切り、会社としての訪問であることを最初に伝えます。

電話例文は、連絡する相手との関係で3つに分けました。在籍時の先生がいる場合、大学のゼミ・研究室の教員に連絡する場合、恩師が異動・不在で学校の窓口に取り次いでもらう場合です。【 】は社員本人の状況に合わせて書き換える箇所です。電話の前に書き込んでおけば、そのまま読み上げられます。


例文1|在籍時の先生に取り次いでもらう電話

高校の担任や部活動の顧問など、在学中にお世話になった先生がまだ在籍している場合の例文です。専門学校のクラス担任に連絡する場合も、学校名と在籍時の情報を差し替えれば同じ流れで使えます。

受付とのやり取り

受付:「はい、【◯◯高等学校】でございます」 社員:「お忙しいところ失礼いたします。【20◯◯】年3月に卒業しました【◯◯ ◯◯】と申します。在学中は【3年◯組】で、【◯◯】先生に担任をしていただいておりました。【◯◯】先生はいらっしゃいますでしょうか」 受付:「少々お待ちください」

先生とのやり取り

先生:「はい、【◯◯】です」 社員:「【◯◯】先生、ご無沙汰しております。【20◯◯】年卒業の【◯◯】です。今は株式会社【◯◯】で【営業】の仕事をしております。本日は会社の採用の件で、近況のご報告とご挨拶に伺いたくお電話いたしました。30分ほどお時間をいただけないでしょうか」 先生:「久しぶりだね。いつ頃がいいの」 社員:「【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】のいずれかで、先生のご都合のよい時間はございますでしょうか。当日は会社の人事担当の【◯◯】も同席させていただければと考えております」 先生:「では【◯月◯日】の【15時半】でどうかな」 社員:「ありがとうございます。【◯月◯日】の【15時半】に伺います。日時の確認を会社のメールアドレスからお送りしたいのですが、送り先を教えていただけますでしょうか」

先生が忙しそうなとき

社員:「お忙しいところ失礼いたしました。【明日の10時ごろ】に改めてお電話いたします」

高校の場合、求人の話ができるのは国が定める求人申込みの開始日以降です(2027年3月卒は7月1日。2026年10月12日時点)。それより前に電話する場合は、用件を「近況のご報告とご挨拶」にとどめ、求人や応募の話は解禁日以降の訪問に回します。


例文2|大学のゼミ・研究室の教員に連絡する電話

大学では、在学中に所属していたゼミや研究室の教員に連絡します。大学の代表番号から取り次いでもらう場合と、研究室の番号に直接かける場合で、受付での名乗り方が変わります。

代表番号から取り次いでもらう場合

受付:「はい、【◯◯大学】でございます」 社員:「お忙しいところ失礼いたします。【20◯◯】年3月に【◯◯学部◯◯学科】を卒業しました【◯◯ ◯◯】と申します。在学中にお世話になった【◯◯】先生の研究室におつなぎいただけますでしょうか」

研究室に直接かける場合

研究室:「はい、【◯◯】研究室です」 社員:「【20◯◯】年に【◯◯】先生のゼミを卒業しました【◯◯ ◯◯】と申します。【◯◯】先生はいらっしゃいますでしょうか」

先生とのやり取り

先生:「【◯◯】です」 社員:「先生、ご無沙汰しております。【20◯◯】年卒業の【◯◯】です。今は株式会社【◯◯】で【設計】を担当しております。本日は会社の採用の件で、近況のご報告とご挨拶に伺いたくご連絡しました。30分ほどお時間をいただけませんでしょうか」 先生:「いいですよ。いつがいいですか」 社員:「【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】のうち、授業のない時間帯でご都合のよい日はございますでしょうか。同じ日にキャリアセンターにもご挨拶に伺う予定です。会社の人事担当者が同席してもよろしいか、あわせてお聞かせいただけますと幸いです」 先生:「【◯月◯日】の【14時】なら空いています。人事の方も一緒で構いません」 社員:「ありがとうございます。【◯月◯日】の【14時】に、人事の【◯◯】と2名で伺います。ゼミの学生さんにお話しする機会については、キャリアセンターとも相談したうえで、改めてご相談させてください」

先生が忙しそうなとき

社員:「お忙しいところ失礼いたしました。改めて【◯日の◯時ごろ】にご連絡いたします」

研究室への電話は、大学院生や学生が出ることがあります。用件を細かく話さず、先生への取り次ぎか、先生が在室している時間を尋ねるだけにします。ゼミや研究室の学生に会社の話をする場合は、大学の就職・採用活動の日程に沿って時期を決め、キャリアセンターを通じて段取りをつけます。


例文3|恩師が異動・不在のときに学校の窓口へつないでもらう電話

恩師がすでに異動・退職していた場合は、その場で学校の窓口に取り次ぎ先を切り替えます。次の例文は高校の進路指導部につないでもらう場合です。

受付とのやり取り

受付:「【◯◯】先生は昨年度で異動されました」 社員:「さようでございましたか。承知いたしました。それでは、進路指導部の先生におつなぎいただけますでしょうか。【20◯◯】年卒業の【◯◯ ◯◯】で、今は株式会社【◯◯】に勤めております。会社の採用の件でご挨拶に伺いたいとお伝えいただけますと幸いです」

窓口の先生とのやり取り

先生:「進路指導部の【◯◯】です」 社員:「突然のお電話で失礼いたします。【20◯◯】年に貴校を卒業しました【◯◯ ◯◯】と申します。現在は株式会社【◯◯】で【製造】の仕事をしております。卒業生として近況をお伝えするとともに、会社の採用の件でご挨拶に伺いたくお電話いたしました。30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか」 先生:「卒業生の方ですね。どうぞ」 社員:「ありがとうございます。【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】【◯月◯日(◯)】のいずれかでご都合はいかがでしょうか。当日は会社の人事担当の【◯◯】も同席いたします」

窓口の先生が授業中のとき

社員:「承知いたしました。【本日15時ごろ】に改めてお電話いたします。【20◯◯】年卒業の【◯◯】から電話があったことだけ、お伝えいただけますでしょうか」

先生が不在のときは、折り返しの電話を頼まず、こちらからかけ直す時間を伝えます。先生の手間を増やさないためです。大学・専門学校に連絡する場合は、取り次ぎ先と用件の言い方を次のように差し替えます。

校種 取り次いでもらう窓口 用件の伝え方
高校 進路指導部の先生(進路指導主事) 「卒業生として近況をお伝えし、会社の採用の件でご挨拶に伺いたい」
大学・短大 キャリアセンター(就職課)のご担当者 「卒業生として、会社の新卒採用の件でご挨拶に伺いたい」
専門学校 就職課のご担当者、または【◯◯学科】の学科長の先生 「【◯◯学科】の卒業生として、会社の採用の件でご挨拶に伺いたい」

※ 窓口の名称は学校によって異なります。学校のウェブサイトで「進路指導部」「キャリアセンター」「就職課」などの名称を確かめてから電話します。

人事が企業として学校に連絡するときの電話の流れは「人事担当者が企業として学校に連絡する場合の電話スクリプト」で紹介しています。社員の母校訪問と人事の訪問を組み合わせる場合は、両方の文面をそろえておくと、学校側も同じ会社からの連絡だと分かりやすくなります。


母校訪問のアポメール例文|初回依頼・日程確認・お礼の3パターン

母校訪問のメールは、電話で約束した後の日程確認と、訪問当日のお礼に使うのが基本です。電話がつながらないときに初回依頼のメールを送る場合も、送った後に電話で確認する前提で書きます。件名には「卒業生」であることと用件、会社名を入れ、会社のメールアドレスから送ります。

ここでは、母校訪問で使う3つの場面のメール例文を紹介します。【 】は社員本人の状況に合わせて書き換える箇所です。


例文4|電話がつながらないときの初回依頼メール

何度か電話してもつながらないときや、キャリアセンターの問い合わせ先メールアドレスが公開されている大学に送る例文です。メールで返事を待つのではなく、次に電話する日時を書いておきます。

件名

【卒業生からのご挨拶のお願い】【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)

本文

【◯◯大学】キャリアセンター ご担当者様 突然のご連絡で失礼いたします。 【20◯◯】年3月に貴学【◯◯学部◯◯学科】を卒業しました【◯◯ ◯◯】と申します。現在は株式会社【◯◯】で【営業】を担当しております。 このたび、卒業生として近況をお伝えするとともに、会社の新卒採用の件でご挨拶に伺いたく、ご連絡いたしました。お電話も差し上げましたが、ご不在のようでしたので、メールにて失礼いたします。 ご検討いただける場合は、次のいずれかの日程で30分ほどお時間をいただけますと幸いです。 ・【◯月◯日(◯)】【14時〜17時】 ・【◯月◯日(◯)】【10時〜12時】 ・【◯月◯日(◯)】【14時〜17時】 当日は、弊社人事部の【◯◯】も同席する予定です。 【◯月◯日(◯)】の【10時ごろ】に、改めてお電話でご都合を伺います。 ご多用のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。 (署名:氏名・社名・部署・会社の電話番号・会社のメールアドレス)

高校の進路指導部に送る場合は、宛名を「【◯◯高等学校】進路指導部 【◯◯】先生」とし、学部・学科を卒業年度と在籍時のクラスに差し替えます。


例文5|電話の直後に送る日程確認メール

電話で訪問の日時が決まったら、その日のうちに確認のメールを送ります。日時・場所・訪問者・持参物・当日の連絡先を並べておくと、先生が予定表に書き写しやすくなります。次の例文は高校宛てです。

件名

【訪問日時のご確認】【◯月◯日】のご挨拶について/【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)

本文

【◯◯高等学校】 【◯◯】先生 本日はお電話でお時間をいただき、ありがとうございました。 【20◯◯】年卒業の【◯◯ ◯◯】です。お約束いただいた訪問の日時を、確認のためお送りいたします。 日時:【◯月◯日(◯)】【15時30分】から30分程度 場所:【◯◯高等学校】【職員室】 訪問者:株式会社【◯◯】【営業部】【◯◯ ◯◯】(卒業生)、人事部【◯◯ ◯◯】 持参物:名刺、会社案内 当日の連絡先:【会社の電話番号】 当日は、今の仕事の様子と、入社を決めた理由をお話しできればと思います。 日時の変更やご準備いただくことがございましたら、このメールにご返信いただけますと幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。 (署名)

当日の連絡先には会社の電話番号を書き、社員個人の携帯電話の番号は書きません。遅れそうなときに連絡がつくよう、当日は会社の携帯電話を持たせるなど、連絡の手段を人事が用意しておきます。


例文6|訪問当日に送るお礼メール

お礼のメールは訪問当日のうちに送るのが理想です。当日の話題に1つ触れ、先生から預かった宿題の回答期限と、今後の採用の連絡を受ける人事の窓口を書き添えて、会社としての連絡先をはっきりさせます。次の例文は大学のゼミの先生宛てです。

件名

【御礼】本日のご面談について/【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)

本文

【◯◯大学】【◯◯学部】 【◯◯】先生 本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。 久しぶりに先生とお話しでき、【ゼミの後輩の皆さんが今も地域企業の調査に取り組んでいる】と伺って、在学中のことを懐かしく思い出しました。 先生からお話のあった【学内企業説明会への参加】については、社内で確認のうえ、人事の【◯◯】から【◯月◯日】までにご連絡いたします。 今後、採用に関するご連絡は、人事部の【◯◯ ◯◯】(電話【会社の電話番号】、メール【会社のメールアドレス】)が窓口となります。私も卒業生としてお役に立てることがございましたら、お声がけください。 改めまして、本日はありがとうございました。 (署名)

人事部の担当者をCCに入れて送ると、宿題の回答を人事が引き取りやすくなります。CCに入れるかどうかは、社内ルールで決めておきます。

人事の名義で学校に送る「入社のご報告と卒業生の近況報告」は、差出人が人事で、卒業生が入社した後に送る報告です。この例文6は、社員本人が自分の訪問のお礼として送るメールで、差出人と場面が異なります。


件名と宛名の書き方

母校訪問のメールの件名は、用件・卒業年度と氏名・会社名の3つを入れます。先生が受信一覧を見ただけで、卒業生からの会社としての連絡だと分かるようにするためです。

  • 【卒業生からのご挨拶のお願い】【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)
  • 【訪問日時のご確認】【◯月◯日】のご挨拶について/【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)
  • 【御礼】本日のご面談について/【20◯◯】年卒業 【◯◯ ◯◯】(株式会社【◯◯】)

宛名は、教員には「先生」、キャリアセンターや就職課の職員には「様」を使います。担当者の名前が分からないときは「ご担当者様」とします。在学中に親しかった先生でも、会社としての連絡なので、学校名と部署から書き始めます。

人事が学校に送る場面別のメールは「人事が送る場面別のお礼メール例文」と「人事名義のアポ取りメール文面」で紹介しています。


母校訪問当日の流れ|30分で伝える3つのこと

母校訪問の当日は、受付で卒業生として名乗り、30分程度を目安に「今の仕事」「入社を決めた理由」「後輩に伝えたいこと」の3つを先生に話し、会社案内を渡して、次の連絡の予定を決めて帰るのが基本です。待遇や選考の約束はせず、採用の具体的な相談は人事に引き継ぎます。

受付・名刺交換・退出といった所作は、一般的な学校訪問と変わりません。所作の確認は「学校訪問当日の流れとマナー」に任せ、ここでは母校訪問ならではの部分をまとめます。


先生に話す3つのこと

先生が母校訪問で知りたいのは、卒業生が今どんな仕事をしていて、その会社が次の生徒・学生にも勧められる職場かどうかです。社員には、次の3つを順に話すよう伝えておきます。

  1. 今の仕事の中身:1日の流れ、担当している仕事、入社してから任されるようになったこと。専門用語は言い換え、先生が後輩に説明できる言葉で話します。
  2. 入社を決めた理由:就職活動で何を比べ、なぜこの会社を選んだか。入社前の印象と実際の違いも、正直に話したほうが先生の信頼につながります。
  3. 後輩に伝えたいこと:在学中にやっておいてよかったこと、職場で役立っている授業や実習、部活動の経験。先生が進路指導でそのまま使える話になります。

給与や休日などの条件、「受ければ通る」といった選考の見込みは、社員の立場では話しません。先生から質問があったときは「人事から改めてお答えします」と引き取り、訪問後の報告で人事に伝えます。


母校訪問の持参物

母校訪問の持参物は、名刺・会社案内・人事から渡された訪問メモの3点が基本です。訪問メモには、学校とのこれまでの接点、今回伝えること、話さないことを書いておき、面談の前に読み返します。

高校に求人票を渡すのは、国が定める求人申込みの開始日以降に限られます。持参するのは、ハローワークで確認を受けた求人票で、人事が同行するか、人事から預かったものに限ります。社員が独自に作った募集案内や、確認を受けていない求人の資料は持参しません。

服装はジャケット着用のスーツが基本で、手土産は原則として持参しません。学校の倫理規程などで教職員が受け取れない場合があるためです。詳しくは「学校訪問の服装と持ち物」と「手土産が原則不要な理由」で確認できます。


人事が同行するかの判断

人事が同行するかどうかは、その訪問で何を話すかで決めます。近況報告が中心なら社員単独、求人の受け付け方法や学内行事の相談まで進めるなら人事が同行する、という分け方が分かりやすい基準です。

  • 社員単独が向く訪問:初めての母校訪問で、先生に近況を伝えて会社を知ってもらうことが目的の場合
  • 人事の同行が向く訪問:求人票の提出、学内説明会や職場見学の相談、採用スケジュールの説明など、会社として約束する話が出る場合
  • 組み合わせ:初回は社員単独で近況を伝え、2回目に人事が同行して求人や行事の相談をする

社員単独で訪問する場合も、人事担当者の名刺を預けて先生に渡すなどして、採用の窓口が人事にあることを伝えます。同行者を決める考え方は「OB/OG・経営陣同行の判断軸」も参考になります。


人事から見た母校訪問|人事の学校訪問との違いと向く企業

企業の母校訪問は、社員が「卒業生」と「会社の代理」の2つの立場で出身校を訪ね、先生やキャリアセンターとの接点をつくる採用施策です。先生は卒業生の働きぶりを本人から直接聞けるため、会社案内より信頼されやすい一方、訪問先は社員の出身校に限られます。人事が行う学校訪問を補うものであって、置き換えるものではありません。


母校訪問で企業が得られる3つのこと

母校訪問で企業が得られるのは、先生との接点の再開、卒業生の近況という信頼される情報の提供、次の機会の打診の3つです。

  • 先生との接点の再開:在学中の社員を知っている先生なら、初めて訪ねる企業より話を聞いてもらいやすくなります。恩師が異動していても、卒業生であることが、学校の窓口に用件を聞いてもらうきっかけになります。
  • 信頼される情報の提供:卒業生本人が語る仕事の様子は、先生が後輩に企業を紹介するときの具体的な材料になります。
  • 次の機会の打診:学内説明会への参加、職場見学の受け入れ、ゼミでの講話など、人事だけでは得にくい機会を相談するきっかけになります。

大学で出身社員を通じて関係をつくる考え方は「大学訪問の戦略(OB・OG経由の経路)」でも整理しています。


人事が行う学校訪問との違い

母校訪問と人事が行う学校訪問は、訪問者・名乗り方・強み・限界が異なります。両方の特徴を比べると、母校訪問が担える役割がはっきりします。

項目 社員の母校訪問 人事が行う学校訪問
訪問者 その学校を卒業した若手社員(人事が同行する場合もある) 人事・採用担当者
名乗り方 卒業年度・氏名で卒業生として名乗り、勤務先と用件を添える 社名・氏名・訪問目的を企業として名乗る
先生の受け止め方 卒業生の近況報告として聞いてもらいやすい 求人や採用の相談として受け止められる
強み 職場の実態が具体的に伝わる。初回でも話を聞いてもらいやすい 求人・選考・日程など会社として約束できる。訪問校を戦略的に選べる
限界 訪問先が社員の出身校に限られる。社員の業務負担と話す範囲の管理が必要 初回は関係がない状態から始まり、信頼を得るまで時間がかかる

※ 一般的な傾向です。先生の受け止め方は学校や訪問の目的によって変わります。

人事が行う学校訪問の進め方は「学校訪問の採用のやり方10ステップ」で、初回訪問から関係構築までの順に整理しています。

一ノ瀬 真理子 一ノ瀬 真理子

母校訪問は、学校チャネルの中で「信頼の入口」を担う施策だと私は位置づけています。卒業生の話で先生の関心を引き、求人や日程の約束は人事が引き取る、という役割分担がはっきりしているほど、学校側も対応しやすくなります。逆に、社員の出身校だけで採用を組み立てようとすると、ターゲット校と訪問先がずれていきます。母校訪問は人事の訪問計画の一部に組み込み、社員の出身校で開いた関係を人事が継続して育てる形にするのがよいと考えます。


母校訪問が向く企業・向かない状況

母校訪問が向くかどうかは、社員の出身校と採用したい学校がどれだけ重なるか、若手社員に訪問の時間を割けるかで決まります。次の目安を参考に、自社の状況と照らし合わせます。

  • 向きやすい企業:地元の高校・大学・専門学校の出身者が多い企業、社員の出身校と採用したい学校が重なっている企業、若手社員が仕事を自分の言葉で語れる企業
  • 工夫が必要な状況:社員の出身校が全国に散らばっている、採用したい学校の出身者が社内にいない、繁忙期で社員が訪問の時間を取れない
  • 避けたい状況:社員本人が訪問を望んでいない、人事が訪問の目的や話す範囲を決めずに送り出す

工夫が必要な状況では、母校訪問を出身者のいる学校に絞り、それ以外の学校は人事の訪問や外部への委託で補う組み合わせが現実的です。


母校訪問の時期の決まり|高卒の求人解禁日と大学の就活日程

母校訪問の時期は、近況報告だけなら国の決まりはありませんが、高校へ求人を持ち込む訪問は国が定める求人申込みの開始日以降(2027年3月卒は7月1日)に行うのが原則です。大学で学生に会社説明をするのは卒業年度に入る直前の3月1日以降、選考に当たる面談は卒業年度の6月1日以降が原則とされています(2026年10月12日時点)。


高校|求人の話は解禁日以降、後輩の生徒には直接声をかけない

高卒採用の日程は、毎年度、厚生労働省と文部科学省が定めます。2027年3月卒業予定者の場合は、次のとおりです(2026年2月16日厚生労働省発表)。

時期 内容
6月1日 ハローワークによる求人申込書の受付開始
7月1日 企業による学校への求人申込み・学校訪問の開始
9月5日(沖縄県は8月30日) 学校から企業への応募書類の提出開始
9月16日 選考開始・採用内定開始

※ 2027年3月卒業予定者を対象とした日程です(2026年10月12日時点)。出典:厚生労働省「中学校・高等学校卒業予定者の就職・採用活動時期について」

求人活動のための学校訪問は、ハローワークで確認を受けた求人票で学校に求人申込みを行った日以降に行うのが原則です。ただし、学校の事前の了解があれば、ハローワークに求人を申し込んだ日以降も訪問できるとされています。

解禁日より前に社員が近況報告で母校を訪ねる場合は、求人票や募集案内を持ち込まず、訪問の目的を学校に先に伝えて了解を得ておきます。近況報告のつもりの訪問が求人活動と受け取られないようにするためです。

高卒採用では、生徒の応募の受け付けや企業との連絡は学校を通じて行うこととされています。社員が部活動の後輩やSNSでつながっている生徒に応募を勧めたり、連絡先を交換したりすることは避け、生徒との接点は進路指導部が設ける説明会や職場見学を通じて持ちます。求人票や文書募集の扱いを含むルールの詳細は「高卒採用の学校訪問ルール」で確認できます。


大学・短大|研究室・ゼミの訪問は授業への配慮と日程ルールに沿う

大学・短大の就職・採用活動は、政府が経済団体などに要請する日程に沿って進みます。卒業・修了年度を基準に、次の3つが原則とされています(2026年10月12日時点)。

  • 広報活動の開始:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降(2028年3月卒の場合は2027年3月1日)
  • 採用選考活動の開始:卒業・修了年度の6月1日以降(2028年3月卒の場合は2027年6月1日)
  • 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降(2028年3月卒の場合は2027年10月1日)

先生やキャリアセンターへの挨拶は、この日程に縛られません。一方、社員がゼミや研究室で学生に会社の説明をする場合は広報活動として扱って3月1日以降に行い、面談が選考に当たる場合は6月1日以降にします。専門性の高いインターンシップを経た学生について例外もありますが、母校訪問の場面では原則の日程に合わせておけば迷いません。

政府の要請では、学生の授業・ゼミ・実験・試験・教育実習などと重ならないよう、面接などは土日・祝日・平日の夕方以降・長期休暇に行うことも求めています。研究室を訪ねる日時は授業のない時間帯を先生に選んでもらい、入構の手続きはキャリアセンターで確認します。要請の全文は内閣官房「就職・採用活動に関する要請」で確認できます。


専門学校|学科ごとの慣行に従い、就職課に先に確認する

専門学校への母校訪問にも、高卒採用のような学校訪問の開始日の決まりはありません。ただし、学科によって企業説明会や実習の時期が大きく異なるため、訪問の日程と、学生に会社の話をしてよい時期は、就職課か学科長に先に確認します。国家試験の前や実習の期間は、学校側が対応しにくい時期です。

※ 高校の日程は令和9年(2027年)3月卒業予定者を対象とした厚生労働省・文部科学省の発表・通知、大学等の日程は2027年度卒業・修了予定者(2028年3月卒)を対象とした内閣官房の要請に基づきます。2026年10月12日時点。日程は毎年度、国が改めて定めます。


人事が整える母校訪問の社内ルール|7項目とそのまま使えるひな形

母校訪問を採用活動として回すには、人事が①人選②事前の届出③業務としての扱い④学生・生徒と会うときのルール⑤話してよい範囲⑥報告⑦学校の記録と引き継ぎの7項目を、社員を送り出す前に決めておきます。

男女雇用機会均等法の改正により、2026年10月1日からは、OB・OG訪問などの場面を含め、求職者に対するセクシュアルハラスメントを防ぐ措置が事業主に義務づけられています(2026年10月12日時点)。

社員任せの母校訪問は、名乗り方や話す範囲が人によって変わり、学校との約束も人事に伝わりません。7項目を順に説明し、最後に社内通知文と届出・報告フォームのひな形を載せます。


①人選|希望者を募り、本人の同意を得る

母校訪問を頼む社員は、希望者を募るか、本人の同意を得たうえで選びます。出身校は社員の個人情報なので、母校訪問の候補者を探すために出身校の一覧を作る場合も、使う目的を伝えて同意を得ます。

人選では、仕事の中身を自分の言葉で説明できるか、上司が業務を調整できるかを確認します。入社1〜3年目の若手は先生や後輩との年齢が近く話が伝わりやすい一方、業務の負担が偏らないよう、上司の了解を人事が先に取っておきます。


②事前の届出|訪問先・相手・目的・日時を人事へ

母校訪問は、アポを取る前に人事へ届け出る決まりにします。届け出る項目は、訪問先・面談する相手・目的・日時・同行者・持参物・学生や生徒と会う予定の有無です。

届出を受けた人事は、訪問前に「訪問メモ」を社員に渡します。訪問メモには、その学校とのこれまでの接点(前回の訪問、在籍している卒業生、求人の提出状況)、今回伝えること、持参物、話さないことを書きます。同じ学校に人事も訪問している場合、社員と人事の話が食い違わないようにするためです。


③業務として扱う|就業時間内に行い、費用は会社負担

採用活動として行う母校訪問は、業務として扱い、就業時間内に行うのが基本です。交通費や出張旅費は会社が負担し、通常の出張と同じ手続きで精算します。

私的な帰省のついでに訪問を頼む場合も、訪問の時間は業務として扱い、届出と報告の対象にします。業務として位置づけておけば、社員が学生・生徒と会う場面に会社のルールを適用でき、トラブルがあったときに会社として対応できます。


④学生・生徒と会うときのルール|時間帯・場所・連絡手段を決める

社員が母校で学生・生徒と会う場面は、OB・OG訪問と同じように、求職活動の場面として扱われることがあります。2026年10月1日から適用された厚生労働省の指針は、企業の雇用する労働者への訪問を求職活動の例に挙げ、事業主が講じる措置として、面談の時間・場所の指定、実施体制、やり取りに用いるSNSの種類の指定などのルールを定めて周知することを例示しています(厚生労働省「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」)。

厚生労働省の就活ハラスメント防止の研修資料でも、就職活動中のセクシュアルハラスメントを受けた場面として、学校や研究室を訪問した従業員、リクルーターと会ったときなどが挙げられています。母校訪問では、次のルールを決めて社員に周知します。

  • 時間帯:学生・生徒と会うのは原則として就業時間内とし、授業と重ならない時間を学校に選んでもらう
  • 場所:学校が指定する教室・面談室か、会社の会議室とする。個室や飲食を伴う場所は避ける
  • 体制:学生・生徒と会う予定があるときは、事前の届出に書き、必要に応じて人事が同席する
  • 連絡手段:会社が管理するメールアドレスや電話に限り、個人のSNS・電話番号・メールアドレスは交換しない
  • 相談窓口:学生・生徒が困ったときに連絡できる会社の窓口を、会社案内などで示しておく

高卒採用では、生徒の応募の受け付けや企業との連絡は学校を通じて行うこととされています。高校の母校訪問では、社員が生徒と個別に連絡を取る場面そのものをつくらないようにします。


⑤話してよいこと・いけないこと|母校訪問ならではの注意点

学校訪問全般で避ける言動に加え、母校訪問では卒業生という立場から生じやすい次の言い方や行動を避けるよう、社員に伝えます。

  • 「先輩の紹介なら入りやすい」「自分が口をきく」など、選考が有利になると受け取られる言い方
  • 先生に後輩の連絡先や、特定の生徒・学生の成績・家庭の事情を尋ねること
  • 同級生や他の卒業生の勤め先・近況など、本人の了承がない個人情報を話題にすること
  • 会社の内部情報や、人事が公表していない採用予定人数・条件を話すこと
  • 在学中の呼び方や口調のまま、会社としての約束に聞こえる話をすること

学校訪問全般で避けたい言動は「学校訪問でのNG言動」にまとめています。


⑥報告|訪問後3日以内に報告フォームで提出

母校訪問の報告は、訪問当日から3日以内に、決まった項目のフォームで人事に提出してもらいます。報告する項目は、面談した相手と役職、話した内容、学校から受けた依頼や宿題、次回の予定、学校側の関心事です。

報告を受けた人事は、宿題の回答と学校への正式な連絡を引き取ります。人事が行う学校訪問の記録と同じ項目で書いてもらうと、社員の母校訪問と人事の訪問を1つの記録で追えます。報告書の項目と記入例は「学校訪問の報告書テンプレート|採用担当の訪問記録6項目と記入例」で紹介しています。


⑦学校の記録と引き継ぎ|会社として記録を持つ

母校訪問で得た学校との接点は、社員個人ではなく会社の記録として残します。先生は異動し、社員も異動や退職をするため、記録が社員の手元にしかないと、関係が1回の訪問で途切れてしまいます。

学校ごとに、訪問日・訪問者・面談相手・話題・次回予定を1つの台帳にまとめ、担当者が替わっても引き継げるようにします。台帳の運用と担当の決め方は「担当配置と引き継ぎルールの決め方」を参考にしてください。


7項目の一覧|人事が決めること・社員に渡すもの

項目 人事が決めること 社員に渡すもの
①人選 募集の方法、本人の同意、上司との業務調整 母校訪問の目的と依頼内容の説明
②事前の届出 届出の期限と項目 事前届出フォーム、訪問メモ
③業務としての扱い 就業時間の扱い、旅費の精算方法 出張手続きの案内
④学生・生徒と会うとき 時間帯・場所・体制・連絡手段・相談窓口 社内通知文、会社の連絡先
⑤話す範囲 話してよいこと・いけないこと 電話・メールの例文、NG一覧
⑥報告 提出期限と項目、宿題の引き取り方 訪問報告フォーム
⑦記録と引き継ぎ 学校ごとの台帳の管理者 前回までの訪問記録

そのまま使える母校訪問の社内ルールのひな形

次のひな形は、厚生労働省の指針の例示を踏まえた社内ルールの一例です。法令が求める内容そのものではないため、自社の就業規則やハラスメント防止の規程に合わせて調整してください。【 】は自社で決めて書き換える箇所です。

社内通知文のひな形

件名:母校訪問の実施ルールについて 社員各位 人事部より、社員の出身校への訪問(以下、母校訪問)の実施ルールをお知らせします。 1.目的 卒業生として出身校の先生に近況を伝え、当社の新卒採用について学校との関係をつくることを目的とします。 2.対象者と募集方法 【入社◯年目まで】の社員のうち、希望する方を対象とします。希望者は【◯月◯日】までに人事部【◯◯】へお申し出ください。出身校の情報は、母校訪問の調整にのみ使用します。 3.事前の届出 アポを取る前に、事前届出フォームを人事部へ提出してください。提出期限は訪問予定日の【◯日】前までとします。 4.訪問の扱い 母校訪問は業務として就業時間内に行い、交通費は出張旅費規程に従って精算します。 5.学生・生徒と会うときの決まり ・学生・生徒と会うのは、学校が指定する場所または会社の会議室とし、個室や飲食を伴う場所は使いません。 ・連絡は会社のメールアドレスと電話に限り、個人のSNS・電話番号・メールアドレスは交換しません。 ・高校の生徒には、学校を通じる場合を除き、直接連絡しません。 6.話さないこと 選考が有利になると受け取られる言い方、公表していない採用条件、他の卒業生や在校生の個人情報は話しません。 7.報告 訪問後【3】日以内に、訪問報告フォームを人事部へ提出してください。学校から受けた依頼は人事部が引き取ります。 8.相談窓口 母校訪問や学生・生徒との接し方で迷ったときは、人事部【◯◯】(内線【◯◯】)にご相談ください。

事前届出フォームと訪問報告フォームは、次の項目で作ります。表の左の列を項目名にして、右の列を記入欄にすれば、そのまま社内の書式として使えます。

事前届出フォームの項目 記入例
訪問先 【◯◯高等学校】【進路指導部】
面談する相手 【◯◯】先生(在籍時の担任)
訪問の目的 近況報告と会社の紹介
訪問日時 【◯月◯日(◯)】【15時30分】から30分程度
同行者 人事部【◯◯】/なし
持参物 名刺、会社案内、訪問メモ
学生・生徒と会う予定 あり(場所と時間を記入)/なし
訪問報告フォームの項目 記入のポイント
面談した相手・役職 名刺をもらえなかった場合も、氏名と役職を確認して書く
話した内容 こちらが伝えたことと、先生が話したことを分けて書く
学校からの依頼・宿題 内容と回答の期限を書き、人事に引き継ぐ
次回の予定 次に連絡する時期と、誰が連絡するか
学校側の関心事 学内行事、生徒・学生の進路の傾向など、先生が話した範囲で書く

※ ひな形は社内ルールの一例です。数値や期限は自社の実情に合わせて決めてください。


母校訪問を採用成果につなげるフォロー|翌年度までの動き方

母校訪問を採用につなげるには、1回の訪問で終わらせず、宿題への回答、人事からの正式な連絡、入社した後輩の近況報告までを1年の流れとして組み立てます。社員の出身校だけでは訪問先が偏るため、採用したい学校全体の訪問計画は、人事の訪問や外部への委託で補います。


訪問後1週間でやること

母校訪問の後の1週間で、次の3つを済ませます。先生の記憶が新しいうちに会社として動くと、近況報告が採用の相談に変わります。

  1. お礼のメール:社員本人が訪問当日のうちに送る
  2. 宿題への回答:先生から預かった依頼に、人事が期限までに回答する
  3. 人事からの正式な連絡:今後の採用の窓口が人事であることを伝え、求人の受け付け方法や学内行事の予定を確認する

高校の場合、人事からの連絡で求人や応募の話をするのは、国が定める求人申込みの開始日以降にします。2027年3月卒では7月1日以降です(2026年10月12日時点)。


入社した後輩と一緒に再訪する

母校訪問をきっかけに後輩が入社したら、翌年度に入社した後輩と一緒に母校を訪ねます。先生にとって、自分が送り出した生徒・学生の働く姿を聞けることは、次の生徒・学生に会社を勧める何よりの材料になります。

再訪の前には、入社した後輩本人に、近況を学校に伝えてよいか了承を得ます。高校の進路指導部との関係を翌年につなぐ考え方は「選考後も続く進路指導部との関係」で紹介しています。


社員の出身校とターゲット校のずれを埋める

社員の出身校と、会社が採用したい学校は、必ずしも一致しません。まず社員の出身校の一覧を作り、採用したい学校と重なる学校、重ならない学校を分けます。

  • 重なる学校:母校訪問で先生との接点をつくり、人事の訪問で関係を続ける
  • 重ならない学校:人事が直接訪問するか、学校訪問の代行を使って新しく関係をつくる
  • 出身者が多い学校:訪問する社員を毎年交代させ、特定の社員に負担が偏らないようにする

代行を使う場合は、依頼先がどの校種の訪問に対応しているかを、契約前に確認します。社員の母校訪問を年間の訪問計画にどう組み込むかは「人事担当者の学校訪問手順と年間スケジュール」、学校訪問をほかの採用手法とどう組み合わせるかは「中小企業が勝ちやすい新卒採用の4チャネル」で整理しています。


母校訪問のアポに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 母校訪問のアポはどうやって取ればよいですか?

母校訪問のアポは、訪問の2〜3週間前に学校の代表番号へ電話し、卒業年度・氏名・現在の勤務先を名乗って、在籍時の先生か進路指導部・キャリアセンターに取り次いでもらうのが基本です。電話では最初に「【卒業年度】年に卒業した【氏名】と申します」と名乗り、取り次ぎ後に勤務先と「会社の採用の件」という用件を伝えます。候補日は3つ用意し、決まった日時は会社のメールアドレスから確認のメールを送ります。

Q2. 母校訪問のアポは何日前までに取ればよいですか?

母校訪問の連絡は、訪問希望日の2〜3週間前が目安で、急ぐ場合でも1週間前までには連絡します。学校が忙しい時期はさらに早めにし、当日や前日に電話して訪問を申し込むことは避けます。高校の就職指導が重なる夏から秋や、大学の試験期間は、学校の行事予定を確かめてから候補日を選びます。

Q3. 母校訪問の電話は何時ごろかけるのがよいですか?

母校訪問の電話は、10〜11時か15〜16時にかけるのが目安です。始業直後・昼休み・終業前は先生が授業や会議で電話に出にくく、定時制高校は13時半以降が目安です。先生が不在のときは折り返しを頼まず、こちらからかけ直す時間を伝えます。

Q4. 母校訪問は当日に電話してその日に訪ねてもよいですか?

母校訪問は、当日に電話してその日に訪ねるのではなく、2〜3週間前(急ぎでも1週間前)に日時を約束してから訪ねるのが基本です。先生は授業や会議の合間に時間を空けるため、当日の申し出では対応が難しくなります。近くに行く用事がある場合も、当日は電話で改めて日を相談するにとどめ、約束した日は5〜10分前に受付で卒業生として名乗ります。

Q5. 母校訪問のアポはメールだけで取ってもよいですか?

母校訪問のアポは電話で取り、メールは日程確認とお礼に使うのが基本です。電話がつながらない場合は会社のアドレスから初回依頼メールを送り、その後に電話で確認します。メールには次に電話する日時を書き、個人のメールアドレスやSNSは使いません。

Q6. 社員の母校訪問は業務として扱うべきですか?

社員の母校訪問は、採用活動として行う以上、業務として扱い就業時間内に行うのが基本です。交通費や出張旅費を会社が負担し、訪問先・目的の事前届出と事後の報告を求めることで、学生・生徒と会う場面のルールも守りやすくなります。2026年10月1日からは求職者へのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置が事業主に義務づけられており(2026年10月12日時点)、面談の場所や連絡手段の決まりも業務のルールとして周知します。

Q7. 母校訪問で高校の後輩に直接声をかけてもよいですか?

母校訪問で高校の後輩の生徒に、企業の社員として直接声をかけたりSNSで応募を勧めたりすることは避けます。高卒採用では、国の通知で生徒の応募や企業との連絡は学校を通じて行うこととされているため、生徒との接点は進路指導部が設ける説明会や職場見学を通じて持ちます。詳しいルールは高卒採用の学校訪問ルールで確認できます。

Q8. 社員の母校訪問だけでは訪問先が足りない場合はどうすればよいですか?

社員の母校訪問だけでは訪問先が足りない場合は、出身者のいない学校を人事による学校訪問か学校訪問代行で補うのが現実的です。大学・短大・専門学校との関係構築まで任せたい場合は、全国47都道府県に対応し、アポ獲得から関係構築・レポート提出まで一貫して担う株式会社オールが選択肢になります。代行を選ぶときは、依頼先が対応している校種と、訪問の報告をどう受け取れるかを契約前に確認します。


目的別おすすめ|社員の母校訪問と組み合わせる学校訪問の進め方

社員の母校訪問で届くのは、社員の出身校までです。採用したい学校全体に関係を広げるかどうか、学校との関係づくりをどこまで社内で持つかによって、組み合わせる進め方が変わります。母校訪問を自社で制度化する、出身校以外を部分代行で補う、学校との関係構築ごと深コミット型の代行に任せる、の3つが主な選択肢です。

学校訪問代行サービスの会社別の特徴は「学校訪問代行サービス比較|目的別おすすめ5社と選び方」で詳しく紹介しています。


社員の母校訪問を自社で制度化したい企業向け:社内ルールの標準化

社員の母校訪問を自社で制度化したい企業には、この記事の電話・メール例文6本と社内ルールのひな形を社内マニュアルにして、どの社員が訪問しても同じ名乗り方・同じ報告項目で動けるようにする方法がおすすめです。訪問の記録を人事の学校台帳に集めておくと、社員の異動があっても学校との関係が途切れません。社員の出身校と採用したい学校が重なっている企業に向いています。


社員の母校以外の学校にも広げたい企業向け:部分代行(スポット訪問代行)

社員の母校以外の学校にも訪問を広げたい企業には、出身者のいない学校の訪問だけを外部に任せる部分代行がおすすめです。採用方針や学校との関係づくりの考え方は社内で持ち、訪問の手数を補う使い方です。自社で続けるか代行を使うかの判断は「学校訪問代行vs自社内製の判断軸」で比較しています。


学校との関係構築から本気で任せたい企業向け:株式会社オール

学校との関係構築から本気で任せたい企業には、株式会社オールがおすすめです。福岡に本社を置き、東京・大阪にもオフィスを持つ新卒採用代行の会社で、公式サイトによると全国47都道府県の大学・短大・専門学校への訪問に対応し、アポイント獲得から学校訪問・関係構築、レポート提出、会社説明、一次面接まで一貫して担います。エリアごとに専任の担当者を置く深コミット型の代行で、厚生労働大臣許可の有料職業紹介事業者(許可番号 40-ユ-300946)として運営されています。

社員の母校訪問と組み合わせる場合は、社員の出身校で開いた大学・短大・専門学校との関係を継続訪問として引き継ぎ、出身者のいない学校にも広げていく使い方が合います。担当者が学校と深く関わる型のため、短い期間に多数の学校を一斉に回す用途であれば、全国規模の大手のほうが向いています。


全国規模で多数校を効率よく管理したい企業向け:株式会社アールナイン

全国規模で多数の学校を効率よく管理したい企業には、業界最大手の株式会社アールナインがおすすめです。全国対応の体制を持ち、複数の拠点で同時に採用を進める企業や、訪問校数が多い企業に向いています。


まとめ|母校訪問は「2〜3週間前の電話」と「人事が決めるルール」で採用につながる

母校訪問のアポは、2〜3週間前の電話と、卒業年度・氏名・勤務先の名乗りで決まります。その母校訪問が採用につながるかどうかは、人事が先に決める届出・報告・学生や生徒と会う場面のルールで決まります。

  • 連絡:訪問希望日の2〜3週間前、急ぐ場合でも1週間前までに学校の代表番号へ電話する
  • 名乗り:卒業年度・氏名で名乗り、取り次ぎ後に勤務先と「会社の採用の件」を伝える
  • 時間帯と手段:電話は10〜11時か15〜16時、定時制高校は13時半以降。メールは会社のアドレスで日程確認とお礼に使う
  • 当日:30分程度で、今の仕事・入社を決めた理由・後輩に伝えたいことを話す
  • 時期:高校の求人の話は国が定める開始日以降、大学の会社説明は卒業年度直前の3月1日以降、選考は卒業年度の6月1日以降
  • 社内ルール:人選・届出・業務扱い・学生や生徒と会うときの決まり・話す範囲・報告・記録の7項目を人事が決める

社員の出身校以外の大学・短大・専門学校まで学校との関係を広げたい場合は、全国47都道府県に対応し、アポ獲得から関係構築まで一貫して担う深コミット型の株式会社オールが有力な選択肢です。全国規模で多数校を効率よく管理したい場合は、業界最大手の株式会社アールナインを含めて「学校訪問代行サービスの比較」で検討する流れが現実的です。

人事が企業として連絡する場合のアポ取りは「学校訪問のアポ取り|電話・メール例文と断られた時の対応」、当日の所作とお礼メールは「学校訪問のマナー」、高卒採用のルールは「企業の高校訪問ガイド」、大学との継続的な関係づくりは「キャリアセンター攻略」を参照してください。

この記事を書いた人

大手都市銀行の法人営業、大手人材サービス企業の採用戦略コンサルタント、国内シンクタンク研究員を経て独立。マイナビ代理店業界および新卒採用代行(RPO)市場の調査・比較分析と、企業向けの採用戦略提言を行う。働き方改革協会 SDGs推進本部 公認サステナブルワークアドバイザー。

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